青春の1ページ

左隣の席のあなたとは

仲良くなんてなれないと思った

 

うるさいくらい元気で

真逆の性格だったから

 

仲良くなるきっかけは

一通のメールだった

 

近くの席の友達から聞いたらしい

 

明るくて社交的なあなたが

隣の席の人に連絡先を

聞けないなんてね

 

毎日会うのに家に帰っても

連絡するようになって

 

「おはよう」から1日が始まり

「おやすみ」で眠りについた

 

部活に行くのは嫌いだったけど

楽しそうにバスケをするあなたを

 

体育館の上から眺められるから

部活が好きになった

 

夏休みに自動販売機の前で

あなたから告白された

 

告白の返事をしたのは

今はない駅前のマック

 

そんな風にして

付き合うことになった

 

記念日には毎月メールで

感謝と好きを伝えあったし

 

授業中に教科書に落書き

しあっていたのが

 

ヒートアップして顔にまで

落書きしたこともあったね

 

手のひらにこっそり

あなたの名前を書いていたら

 

クラスメイトにバレて

どんだけ好きなのって

冷やかされたりもした

 

あなたの元気さがウザいって

誰かが言うのが聞こえたときは

なぜか悲しくなった

 

それくらい頭の中があなたで

いっぱいだった

 

席替えして隣の席じゃなくなっても

いつも目が合っていたし

 

文化祭・体育祭・修学旅行

学校の行事はもちろん

 

クリスマス・バレンタイン・誕生日

イベントのときにはいつも

 

あなたが隣にいてくれたから

すごく楽しかった

 

特別な日じゃなくても

あなたが隣にいる

それだけで幸せだった

 

友達と喧嘩して

泣いているときは

 

涙が止まるまで

ずっとそばにいてくれて

 

これからも仲良くしたいなら

ちゃんと謝りなって言ってくれた

 

今もその友達とは仲良しだよ

 

面倒くさいダメダメな

自分をさらけ出しても

 

あなたは見捨てずに

受け止めてくれて

 

本当にダメなときは

ダメって叱ってくれた

 

そしてたくさん「大好き」を

伝えてくれたね

 

その言葉のおかげで

自分のことが好きになれた

 

これが愛なんだと知ったよ

 

とんがっていた心が

まあるくなって

 

心がまあるくなると

周りの人たちにも優しくなれた

 

愛ってすごいね

 

「大好き?」って不安そうに

聞いてくることもあったけど

本当に大好きだったから

 

噓偽りのない気持ちで

「大好きだよ」と伝えていた

 

でも卒業が見えてきたときに

あなたとの未来はきっと

幸せだろうなと思ったけど

 

もっと新しい世界を

見てみたいという

好奇心が勝って

 

別れを告げた

 

あなたがすんなりと

別れを受け入れてくれたから

 

別れを告げた側なのに

引きずってしまった

 

初めての失恋だった

 

同じクラスであることが

こんなに辛いなんて思わなかった

 

卒業式が終わったあとに

偶然か必然か分からないけど

 

下駄箱であなたのお母さんに

会ったんだよね

 

付き合っているときに

とてもよくしてくれた

優しくて可愛らしいお母さん

 

そんなあなたのお母さんに

「ご縁がなくて残念だった」

なんて言われたからさ

 

卒業式で泣かなかったのに

1人になった瞬間

ポロポロと涙がこぼれた

 

卒業後、あなたとは

会っていないけれど

 

今ちゃんと幸せだったらいいな

 

たくさんの初めてと感情を

教えてくれてありがとう

 

もう戻ることはないけれど

あなたが大好きだった

 

この気持ちと思い出は

この先も忘れないと思う

 

これが青春の1ページ